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田中 隆治
日本原子力学会誌, 11(8), p.496 - 498, 1969/00
核燃料物質管理の契機として,一般的には次の3つのことが考えられる。(1)公衆災害,従業員災害,財産毀損を防止するための管理である。これは施設の設計,施工面での対策と結びついて,保管,運搬の場合の臨界管理および使用の場合の運転管理,放射線管理,取扱い管理に大別でき,安全性$の$問題ということができよう。(2)植物質が直接的な軍事資材であることから要請される管理である。核兵器体系を採用している国が非核保有国に対して原子力開発の協力援助を行う場合には,植物質などの資材のほか設備,装置についても軍事利用への転用禁止の保障を,協定の上で求めているのがこれまでの通例である。原子力を平和利用に限定することを国是としているわが国では,これを,国際規制という観点で把えている。現在懸案となっている植拡散防止条約においては,すべての非核保有の加盟国が平和利用植物質を核兵器もしくは核爆発装置に転用することを禁止するようとりきめることが本旨であるう。その保障の措置についてぱ今後具体化が図られることになるが,国際原子力機関のもつ現行方式が支柱になることは間違いない。